「ITアーキテクト養成講座」
アーキテクチャーのないシステムはありません。しかし、アーキテクチャーを設計するエンジニア(=ITアーキテクト)という専門職は極めて少ない状況です。 多くのシステム開発プロジェクトでは、エンジニアとしての経験年数が長いからとか、技術的なことに少し詳しいからといった理由で、システムのアーキテクチャーを設計する役割を誰かが果たしています。事実上、「ITアーキテクト」の役割を担っているわけです。アーキテクチャーを設計する役割を任されたエンジニアは、何をどのようにすべきか分からないまま、自分の経験などを頼りに、任された役割を果たそうとしているのが実情です。こうしたプロジェクトはどうなってしまうのでしょうか。ITアーキテクトとしての知識不足やスキル不足なのですから、結果的に、「レスポンスが遅い」「機能追加や変更が思ったようにできない」といったシステムを構築してしまい、ユーザーに不満を抱かせてしまうことが少なくありません。 ユーザーに不満を抱かせない、より良いアーキテクチャーのシステムを構築するには、ITアーキテクトとしての体系立った知識やスキルを身につけることが必要です。ITアーキテクトはシステムの性能や変更容易性などの品質特性について目標を定め、その目標が満たされたシステムのアーキテクチャーを構築すること、また、目標を満たしたシステムのアーキテクチャーが構築されているか否かを、インフラのみならずアプリケーションの作りを含めて評価/改善できなければなりません。これらを実践するのに有効な技法は登場しています。 そこで本講座では、システム開発プロジェクトでITアーキテクトが実施すべきタスクを明らかにした上で、そのタスクを実践するのに効果的な技法について、座学と演習を通して学びます。 ITアーキテクト養成講座講師 長谷川 裕一様
日程:全4回 5/16(月)、23(月)、30(月)、6/6(月) 10:00-17:00 場所:日経BP社本社ビル(NBFプラチナタワー)4階 主催:日経SYSTEMS
内容:(下記は詳細内容を割愛しています。正確な内容は こちらをご覧ください)
- 第1日:アーキテクチャ概論と要求定義フェースのITアーキテクト
- アーキテクチャ概論
- アーキテクチャと品質
- ITアーキテクトの分類、役割
- 開発プロセス
- 新規/派生/リプレース
- 要件定義
- 要件定義の手順と成果物
- 要件とアーキテクチャ
- 現状分析(要求の収集、概念モデリング)
- ユースケースモデルの作成
- 品質特性シナリオの作成
- 非機能要件発見会議
- 演習
- 成果物
- ドメインの分析モデル、ユースケースモデル、初期の画面仕様書
- 第2日:ADD(アーキテクチャ品質特性駆動設計)によるシステムアーキテクチャ設計
- 基本設計(その1)
- システムアーキテクチャの手順と成果物
- システムアーキテクチャ設計
- ADD(アーキテクチャ品質特性駆動設計)の手順
- ADD(アーキテクチャ品質特性駆動設計)の効果
- アーキテクチャを方向付ける要件
- アーキテクチャドライバーの発見手順
- 品質特性シナリオ
- 実現手法
- 実現手法の具体的な候補を挙げる
- 実現手法の具体的な候補から絞り込む
- 実現手法を組み合わせたアーキテクチャ概要図を作成する
- 演習
- 品質特性シナリオの作成
- 実現方法の具体的な候補を挙げる
- 品質特性シナリオへの実現手法の選択
- 実現手法を組み合わせたアーキテクチャ概要図の作成
- 成果物
- 品質特性シナリオ、アーキテクチャドライバと実現手法の表、アーキテクチャ上の決定と品質特性シナリオの対応関係の表、初期のアーキテクチャ概要図
- 第3日:DDD(ドメイン駆動設計)によるアプリケーションアーキテクチャ設計
- 基本設計(その2)
- アプリケーションアーキテクチャ設計の手順と成果物
- アプリケーションアーキテクチャ設計
- ドメイン駆動設計(DDD)の手順
- ドメイン駆動設計(DDD)の効果
- ドメインモデルを動かすパターン
- モデル駆動設計の基本となるパターン
- 戦略的デザインのパターン
- プレゼンテーションのパターン
- 永続化のパターン
- インテグレーションのパターン
- 技術検証の重要さ
- 開発工程準備
- 開発工程のために行うこと
- プロトタイプ
- 開発環境の構築
- 演習
- ドメインモデルの作成
- フレームワークの選択
- システムアーキテクチャの概念図作成
- 成果物
- ドメインの設計モデル(クラス図、シーケンス図)
- アプリケーションアーキテクチャモデル(クラス図、シーケンス図)
- 第4日:ATAM(アーキテクチャトレードオフ分析法)によるアーキテクチャの評価
- 基本設計(その3)
- システムアーキテクチャの評価
- 評価の重要性
- ATAMの評価手順
- ATAMの効果
- 開発
- 開発工程の手順と成果物
- 評価と改善
- アプリケーション管理の重要性
- メトリクス測定
- DSM(DesignStructureMatrix)による評価
- リファクタリング
- アプリケーションの統合管理
- テスト
- 性能テイストとアーキテクチャ
- システムテストとアーキテクチャ
- 演習
- アプリケーションアーキテクチャの概略図作成
- システムアーキテクチャの評価
- DSMによる評価
- リファクタリング
- 成果物
- アプリケーションアーキテクチャの概略図、アーキテクチャの簡潔な解説、重要ポイントとトレードオフポイントの表、リスクと非リスク
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